左官で魅せる 老舗割烹のリフォーム(中編)
八幡工業 ブログ 節目の500回記念は!!
神楽坂 割烹「め乃惣」さま
http://www.menosou.com/
表通りから石畳の路地を少しを入ったところ
目抜き通りの喧騒から離れ 落ち着いた佇まいの老舗店です。
大規模改修工事を八幡工業がメインで担当させていただき
2017年3月1日よりグランドオープンしました。
おもて構えについては前編にてくわしくお伝えしました。
https://www.yawata-sakan.com/blog/?p=14547
今回は店内の様子をご案内しましょう。
カウンターでお出迎えしてくださったのは
女将さんと厨房をあずかる二代目である息子の萩原淳二さん
入口からすぐに目につく額装の色紙
大女優 水谷八重子さんの書
さて、ホームページの説明によると「め乃惣(めのそう)」の名は
明治の文豪 [泉鏡花]の代表作「婦系図(おんなけいず)」に
登場する江戸前の魚屋「め乃惣」に由来するという由緒正しい店。
この小説のモデルとなったのが初代・萩原徳次郎さん
泉鏡花先生に義侠と料理を愛され、神楽坂に料亭「うお徳」を創業。
現在の店主・萩原哲雄さんは実はこの歴史のある料亭「うを徳」の次男で
現在「うお徳」は長男があとを継いでいて、ここ「め乃惣」は昭和51年に開店。
昭和51年、当時神楽坂は、黒堀の料亭全盛期であり、
カウンター割烹が無い時代でした。
いちげんさんお断りの「うお徳」の料亭の味をカウンターで
気軽に味わって頂きたい思いから、うを徳の支店として
小割烹めの惣が開店いたしました。
うを徳 二男、萩原哲雄さんが平成10年に独立したさいに
店名を[め乃惣]に改名。
そして平成10年5月、萩原哲雄さんはテレビ番組[料理の鉄人]に挑戦。
そこで見事勝利を収め[め乃惣]としての船出を飾りました。
その時、メニューに取り入れた[海老しんじょ]は、
今でも絶大な支持を得ております。
いやはや、このような名店のおよそ15年目の改装を任せられ
左官屋の腕がなります。どころかちょっとビビります。
でも、料理の味に負けないよう、塗り壁・天井・土間仕上げと
持てる技術をフルに活用してがんばりました。
木曽ヒノキの分厚い一枚板カウンター
この下がり壁は 『版築クレド』
突き固めて作る版築ではなく、版築のテクスチャーを鏝塗りで再現する
版築風の左官仕上げです。主成分は天然真砂土と京サビ土
あらかじめバッカ―材で仕切りを作り
4段階にわけて塗り付けていき、徐々に顔料が濃い材料が
グラデーションになるように計算して仕上げました。
八幡社長も参加して、掻き落とし仕上げ。
しかも鎧状におよそ10ミリの段差がついていくという緻密な作業です。
中央を飾るのは サプライズプレゼント
店名[め乃惣]の文字が浮き上がった モルタル造形の擬木
木目は八幡専務が担当
一日かけてじっくりと木目を刻み、彫刻しました。
造形完了後、エイジング塗装を施します。
そして、緻密な作業が大好物‼? の 長塚主任が
一文字ずつ心を込めて 漆喰で白く盛り上げていきます。
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いかがでした。
みどころはまだまだたくさん。
厨房・個室の漆喰、そして床の特殊仕上げとつづきます。
この様子は、次回ご案内することとしましょう。