田村恵稔の超立体鏝絵展
サイトウです。
東京・浅草の本龍寺(台東区今戸1-6-18)にある鏝絵が、
東京の下町で活躍した左官職人 ・ 田 村 恵 稔 (けいねん)さん
本 名 ・ 守 雄 、 1 8 9 2 ?1962 の作によるものと複数の証言に
よ り 判 明 。
この情報は昨年2010年 6 月 1 9 日 付 け の 東 京 新 聞 、
7月21日付けの朝日新聞?(静岡版)でも報じられた。
この件は私の鏝絵の師匠・大久保雅先生からうかがっていた。
なんでもとても大きくて、たいそうりっぱな作品だという!
http://www.ko-bunsha.com/sample/foram-10/10.8-topi.pdf
いつか先生にお供して参拝したいものだと考えていたが、
偶然一日だけ(9月23日・祝)特別に公開されるという噂を聞き、
行ってまいりました。
さっそく本堂に入りお参り。
それを取り囲むように内陣正面の欄間には菩薩や天女、
左右の欄間には松と桐にとまった鳳凰、
手前の横柱には鳳凰を中心としてスズメやコイ、マゴイなど
13体の動物が飾られている。
これらの鏝絵が、すべて東京の左官職人 ・ ?田 村 恵稔の手による作品である。
これらの欄間の作品、透かし彫りの技法のように裏側も立体に出来ている。
たとえば鳳凰、内部からみると、
そして外側から見ると!
おもいっきり尾羽根が四方八方にひろがっていますね。驚き!!
これ木彫じゃあなく、漆喰細工ですよ。
木や針金で骨組みとなる芯をつくり、わら縄などを巻きつけた上に
漆喰を塗って作っているのです!!
しかも色がきれいに残っています。
会場では、この鏝絵を探しだした新宿区在住の研究科・調海明(しらべ)さん
とともに、かつて手ほどきを受けたという足立区の元左官職人・荒井康嗣さん
田村恵稔さんのお嬢様がいらして、来訪者に解説をされていました。
設計の図面は新井さんが保存していたもの。
図面の裏を注目!
当時のセメントの袋に書かれていたのです。
しかも、50キロ入り!!
うわさに聞いていたが本物見たのはじめて。
またこの日限定!?で、個人所蔵の額入り恵稔作品も数点展示。
これは、新井さんの鏝絵用道具。
新井さんのアドバイス、しっくいは貝灰を使わないと色が退色してしまうとのこと!
貴重なお話、めったに見ることのできない作品を手に取るように
じっくり鑑賞させていただくことができて、ありがたかったです。
いつか自分もこんな作品をつくりたいものです!