町屋F邸のスイス漆喰リフォーム・後編
只今修行中・斎藤です。
年をまたいでしまいました、漆喰壁リフォームのつづきです。
まずは、左官施工させていただいた空間のご紹介。
2階和室、ここはお母様の畳のお部屋です。
そして1階のリビングルーム、ご家族憩いの空間です。
漆喰壁にしたので以前よりぐんと明るくなりましたね。
ご家族にとっては長年慣れ親しんだ壁、さまざまな思い出が
しみこんだ壁、くわしい事情はお聞きしませんでしたが、
きっと親子で「新しい暮らし方」をじっくり話し合われて、
体にやさしい天然素材・漆喰の壁を選んでくださったのでしょう。
施工前の繊維壁をアップにすると
このようにところどころパラパラと壁材が
剥がれ落ちているのがわかります。
?カベトリンできれいにすると、ごっそり繊維壁が落ち
下地が顔を出します。
さて、下地の処理が済み、あたらしい壁材の材料作りにとりかかります。
今回は落ち着いたベージュ系がお客様のご希望なので、
スイス漆喰カルクウォールに顔料のウラを混ぜて調合します。
この作業の注意ポイント!
何度かにわけて材料を作るので色むらがおきないよう、
デジタルメーターできっちり同じ配合になるよう計測します。
25キログラムのカルクウォール2缶ずつを大きな樽に入れるので、加える顔料は
800グラムにしました。
ハンドミキサーで丁寧に攪拌して準備完了!
さあ!ここからが職人の腕の見せ場「かべぬり」です。
鏝で材料を、繊細かつ大胆に伸ばしていきます。
こればかりはいつも見とれてしまいます。
均一になるよう繰り返される正確なワイパーの動き、
無駄の無いリズミカルな全身の所作はまるでダンス。
あっというまに美しく壁が仕上がっていくさまはいつみてもマジック!!
今回は鏝跡をフワッとみせる仕上がり、フラットな壁よりも
職人の手のぬくもりが伝わるパターンをご提案。
これだと一日の中で、太陽光の差し込む昼間、夜の照明器具による
間接光と、さまざまな壁の表情を楽しんでいただけ、
さらにいつまでも見ていて飽きの来ない壁になるのです。
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完成した2階洋室と玄関、同じ材料でも表情の変化が
ことなるのをおわかりいただけますでしょうか。
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おまけ!!
職長・江端さんが指差すのはF邸の向かいのマンション。
実は、偶然にも八幡工業が数年前に内部・外壁を手がけた物件なのだ!!
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苦労して施工した「壁たち」が元気で輝いているのを見て、
まるで久しぶりの我が子に再会したかのようにうれしそうでした。