2025.03.24 漆喰

『千曲の蔵』土蔵と古民家をリノベーション

2025年、長野に「黒漆喰の蔵」が完成しました。

その前で、施主さまと八幡親子が記念撮影。

 

一年前、この土蔵は経年の劣化が進み、

壁の漆喰は剥がれ落ち痛々しい状態でした。

 

八幡工業は、この「黒漆喰の蔵」と

隣接する「白漆喰の古民家」のリノベーションの左官工事に参加しました。

およそ一年かけて、店舗兼・宿泊施設として生まれ変わりました。

 

ここから長い長い補修、改修工事の旅が始まるのですが……

 

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その前に少しだけ、歴史のお話を

 

信州・千曲市には大壁造りの町家や土蔵が建ち並ぶエリアがあります。

 

(※信州千曲観光局によると)

 

北国西街道(善光寺街道)の宿場町として栄えた「重要伝統的建造物群保存地区」稲荷山。

善光寺平最大の宿場町で、明治以降は生糸と絹織物の商いの町として栄えた。

 

幕末の弘化4年(1847)の善光寺地震では、長野だけではなく稲荷山宿でも大火となった。

(信濃、越後方面の大地震では、死者一万6千人以上の被害があったそう)

この災害を教訓にできあがったのが今に残る防火・耐火に優れた土蔵の町だ。

宿場町として栄えた財カがこうした町をつくりあげる原動力になったのだろう。

黒い大屋根、白壁の豪壮な町家が当時の富を伝えている。

 

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では、「千曲の蔵」の改修工事に話を戻します。

 

3月の雪が降ったあと、

「長野では、季節外れの雪。けっこう積もりました。」

……と施主から 写真が送られてきました。

 

完成した黒漆喰の蔵(奥)と 白壁の古民家

 

雪景色のお庭 風情ある石灯篭

 

古民家の入口周辺

白漆喰で仕上げました。

 

 

明かり取りのガラスと、
天然板を組み合わせた 趣のある木製ドアが出迎えてくれます。

 

室内に入ると ひろい空間

大きなカウンターがあります。

 

一枚板のカウンター

 

高い天井
小屋組みのしっかりした梁が見えます

 

薪ストーブ

土間はコンクリート打ち放し

 

2階に上がる階段の壁は Mortex

 

割った竹を組み

紐で縛った丸窓

 

2階の窓のカウンター席

 

ここで、

お庭をながめながらお茶をいただく。

 

分厚い板の年輪のように、

ゆったりとした時間がながれます。

 

ふと、
天井を眺めると 「稲荷山大棟梁」の筆

 

 

2階から 見下ろす 1階の土間

ストーブの炎を眺めながら くつろぐ旅人たちの姿がうかびます。

 

次回は、黒漆喰蔵の宿泊棟をご紹介します。

 

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