2025.02.13 レームプッツ

「地層」土壁を施した 個人邸の内部を公開(後編)

船橋市に新築戸建てを建築中の H様邸

 

八幡工業が施工した「地層」の左官壁には
2種類のオリジナルの材料をご用意しました。

 

【レームプッツ】と【ソイルクレド】

ハイブリットな土壁材料のマリアージュです!!

 

【ソイルクレド】: 天然真砂土配合の外壁左官仕上げ材

有限会社八幡工業・株式会社KSAG・材料メーカー の3社で共同開発した土壁専用のバインダーです。

オリジナルのカラーバインダーに砂と土とを

絶妙な割合で混ぜあわせることで独特なテクスチャーを作ることができます。

 

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【レームプッツ】

スイス粘土壁材・レームプッツ

LEHMPUTZE(レーム・プッツ)は、200万年前の地層が氷河により削られ生成された、

きめ細かい粘土を原材料とした天然氷河粘土の内装仕上げ塗壁材です。

 

注目のPoint!!!

「縄文土器を 地層の下の方に入れたいです。」という施主のリクエストにお答えしました。

 

施主みずから 土器を埋め込んでいただきました。

 

時空を超えて 古代と、現代が 交わる、施主秘蔵コレクションの縄文土器。

 

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前回のブログでは、施工の前段階の流れを中心にご紹介しました。

お客様や大工さんとの連絡、ご提案、お見積もりからはじめ
スケッチやイラストによる完成イメージの作画、実物サンプル作成にいたるまで。

 

*前編はこちらから 👇

https://www.yawata-sakan.com/blog/26360

「地層」土壁を施した 個人邸の内部を公開(前編)

 

今回は、施工中の様子をご紹介したいと思います。

まずは、ご提案した材料。

 

繰り返しますが、
今回施工の注目ポイントは、ご用意した2種類の左官材料です。

 

世界初! (ちょっと大げさ(笑))

ハイブリットな土壁材料のマリアージュです!!

【ソイルクレド】は、八幡オリジナルのカラーバインダーに砂と土とを

絶妙な割合で混ぜあわせることで独特なテクスチャーを作ることができます。

特徴 : 内外装に使うことができ、10ミリ程度の厚塗りが可能です。

内装 「ソイルクレド 版築」の施工例

https://www.yawata-sakan.com/blog/22962

外壁 「ソイルクレド 掻き落とし」の施工事例

https://www.yawata-sakan.com/blog/22871

 

【レームプッツ】の特徴は、200万年前の地層が氷河により削られ生成された、
きめ細かい粘土を原材料とした天然氷河粘土の内装仕上げ専用の塗り壁材です。

https://www.yawata-sakan.com/blog/24352

 

◇ 現場調合の様子(レシピは企業秘密です)

*左から 右へ

上段 : HAGA社 レームプッツ(粒状の粘土)、バケツの中はカラ合わせ済み、
ソイルクレド(八幡工業オリジナルのバインダー)、天然顔料 マイン 黒

下段 : 川砂(粗目)、2分玉砂利 華厳

これらを 調合を変えながら 4層のブレンドを作ります。

 

 

左 :カラ合わせ ⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒  右 : 加水して攪拌し 硬さを調整します。

 

材料を捏ねている間

別の職人さんは 養生をします。

 

 

まずは、床!

脚立やはしごを立てるので傷つかないように厚手のブルーシート

次に、塗らない対面の壁紙は仕上がっているのでビニールで覆います。

 

ちなみに、ボードの継ぎ目には、

いつもと同じように 事前にパテ処理とファイバーテープ貼りしています。

 

さらに、前面に樹脂モルタルを下塗りしました。

 

つぎにとりい出したるは、白いチョーク!

 

地層のラインをフリーハンドで「墨出し」しました。

下からみる。

 

上から目線。

 

2階 中間地点

 

2階から 屋上に続く階段

準備は完璧です!!!!!

 

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最終的に確定した色は 4パターン

 

サンプルで見ると
① 黒の濃度が一番濃い

② ③ ④ になるにつれ、黒の顔料を減らし徐々に明るくなります。

 

これを図面に色分けすると

同じ色の層が、何本もあるのがわかります。(最大で17層あります。)

 

①~④ を繰り返すことなく、不規則ランダムに振り分けています。

さきほどの チョークの白線は、この4色分けのラインを描いたというわけです。

 

調べてみますと、
千葉県のこのお宅の周辺は7000年もの昔、
縄文時代早期の遺跡が発掘されているようなので

断層的には400~500年に一層という計算になります。
(なんちゃって勝手に考古学でした)

 

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さあ、塗りますぞ~~~!!!

 

 

せまい階段室、

しかも上の方は足場板に乗っての作業なので、職人は二人並んで施工。

手前の職人(野沢さん)が、先行して、下塗り用の「ノロ」を塗ります
これは、接着効果を上げる目的です

奥では、 仕上げ担当の職人(八幡専務)が、追っかけで 「土」を塗り付けます。

 

ひとりずつ見ていきますね。

先行の職人 野沢さんが
バッカー材で層を区切った中をノロ塗りします。

 

追いかけて、仕上げ担当の八幡義彦専務が、

ノロが乾く前に大急ぎで「土」を塗り付けます。

仕上げの厚みは 1センチです。

 

一日、1色ずつ

この日は 一番明るい色を塗っていきました。

 

二日目

仕上がった部分を汚さないように

マスカーで養生しながら次の色を塗っています。

 

窓の周囲は、このように土壁を「抱き」で仕上げるようになっています。

ここは、今回の見せ場になるポイントです。

 

ちなみに、土を塗る前の下地は、こうなっていました。

サッシの黒い樹脂枠は、左官仕上げの材料厚み分 10ミリ出ています。

 

それが、仕上がるとこのようになります!!

 

見て欲しいのは ← の角の土の厚みを感じる部分です。

かっこええええええ~~

好きすぎて 推しがしつこくてスミマセン (笑)

 

数日 乾燥期間をおいたのち

トップコートを噴霧します。

 

壁のテクスチャーを拡大すると結構 ザラザラしています。

塗ったままだと、さわると指についてポロポロ落ちます。

 

そこで、表面を固める作業を最後に行うのです。

ソイルクレド
硬化促進水溶液

 

原液を希釈せずに 2回  スプレーで噴霧し壁に浸透させます。

 

不思議なことに、この水溶液は 優れモノで
乾くと何事もなかったかのようにマットに仕上がってくれるのです。

 

2階の一部にも 土器が埋め込まれました。

 

トップコートが乾き、

覆っていた養生を剥がすと、堂々の左官工事完成でございます。

施工期間は、乾燥養生期間も含めると

およそ1か月かかりました。

 

左官工事が終わって

引き続き電気屋さんが天井の照明器具や壁のスイッチプレートを取り付けます。

そうして、大工さんが手すりを取り付けたら終了となります。

 

実は、工事の途中でお引越しだったので、

ご家族のみなさまには大変ご不便、ご面倒をおかけしました。

 

工事期間中の塗りたての壁を触らないように気を付けていただいたり

階段を上る際には、スリッパから靴に履きかえていただきました。

この場をお借りしてご協力に感謝いたします。

 

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後日、お客様からメールとお写真が届きました。

 

 

娘は

「こんなの見たことない。すごい」

と言っていました!!

 

 

と、ありがたいコメントを頂戴しました。

 


わたしどもも、

あたらしい材料の施工事例をご紹介できる喜びと感謝でいっぱいです。

 

ブログ担当は、お客様の打合せから始まり、

施工にも捏ね屋(材料調合)で参加させていただきました

八幡工業 営業の 斎藤でした。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

速報!!!!!

2025年3/4〜7までの4日間、イケダコーポレーションさまが
東京ビッグサイトにて開催のJAPAN SHOP2024に出展決定。

ブースではスイス粘土壁材レームプッツの展示を行います。
機能性では安全安心な住まいを、意匠性では室内に彩りを添え、
サステナブルな建材としても注目の「粘土」による壁仕上げをぜひご覧ください♪

https://messe.nikkei.co.jp/js/

 

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