只今 「左官修行中!」 (5)
お久しぶりの斎藤Blogです。
あらためてご報告です。3ヶ月の過酷な!研修期間をのりきり
はれて10月から八幡工業さんに本採用となりました!!!
デフレスパイラル、求人倍率も低いというこの経済状況きびしいご時勢に
まさに「拾って」くださった八幡社長・職人の皆様に感謝感謝です。
張り切って「左官の道」を歩んでいこうと決意も新たにいたしました。
今後ともこの「修行中ブログ」共々どうぞ宜しくお願いします。
さて、先週親戚の結婚式で名古屋に出席したおり、少し足を伸ばし
大阪に行ってまいりました。
目的は左官職人・久住有生さんが手がけられた土の作品を見に行くこと。
左官職人・久住有生によって仕上げられた「土の神話」に対峙する華道家・片桐功敦「花」の4日間だけの展示 ・・・・・ という情報を数日前Webで偶然に見つけた。
そしてその日が展示最終日だったのです。
期待に胸ときめかせ、難波駅から電車にゆられ15分。
堺東駅からトコトコ歩いて住宅街のなかに見つけたのが会場となる主水書房(モンドと呼びます)。本格的な日本家屋の門には、いけばな教室の看板。
受付をすませ靴を脱いで案内された部屋はふしぎな花の香りにつつまれていました。
照明を落とした広間にあらわれたものはまるで鍾乳洞のような怪しい棘とげ物体!
畳、床を取り外し、剥き出しになった床下の地面を掘り下げて制作された荒壁の左官仕上げによる造形作品[ kuniumi ]。
そして天から降り注ぐように花束が!
これは花道家・片桐が久住の土の神話に対峙 する花として「mandala」と題した作品。
話を聞くと土の作品自体は一年前に作られ、あしたには壊してしまうとのこと。
まさに「はなむけ」ともいえる花生けの儀式だったのですね。
土の持つ重量感、それが人の背丈ほど立ち上がっているという圧倒的な迫力。
タイトルの kuniumi は日本神話のイザナギとイザナミによる国産み神話。日本原初の男女神が混沌の海を掻き混ぜて、鉾から落ちた最初の一雫が淡路島になり、続く雫で次々と 日本の国土が産まれたという神話、と解説にありましたが久住さんは淡路島の出身。
きっとこれは小さい頃から聞かされた郷土の誇りを具現化した、淡路の左官職人であれば作らずにはおれなかった作品プランだったのでは・・と勝手に推測。
この棘、じゃなくて雫のはねかえった瞬間「泥のクラウン」だったのですね、ふ?む納得。
お茶とお菓子を頂戴しながらしばし作品鑑賞に浸りました。
翌日の撤去作業をひかえ打ち合わせに来ていた作家の二人、久住有生さん、片桐功敦さんにお会いでき、お願いすると快く2ショット写真を撮影させていただきました。
いい笑顔でしょ! (左が久住氏、右が片桐氏)
実はこのお屋敷、片桐さんのお家だったのです。
6年前、住宅から教室兼店舗に改造する際、内壁の塗り替え工事を担当したのが久住さん。
年齢も近いということから親交を深め今回のコラボレーションが実現した!というお話です。私、左官修行中です、というと特別に左官仕上げの風呂も案内してもらいました。
洗い出しの壁に色モルタルの浴槽、棚に置かれた花小鉢、ここでもこっそりコラボ作品!ふたりのやさしい人柄が垣間見られる素敵な空間でした。
そして、吹き抜けになった明るいカフェも久住仕事。
石灰の壁に貝殻のちりばめられたべんがら土の土間、休日気持ち良くすごせそうです。
もっとたくさんお話を聞きたかったのですが帰りの新幹線の時間があるので、とお二人に握手をして会場をあとにしました。
いいもの見せていただきました。
自分もいつかこんな仕事ができればなあ。
さあ、まずは明日からの仕事がんばらねば!!
PS: なお展示の詳細は下記まで。
http://www.mondebooks.com/