VIPルームで見上げるムーンピース
意外と実績はありませんでした。
月面調モルタル造形デビューです。
現場は銀座のクリニック。お月さまは1/4カットされています。
木下地への防水紙&ラス貼りからのスタートです。
天井ということもあるのでモルタルは薄ーく薄く。
L字の掘り込みから間接照明で照らされるためドームではなくフラットのオーダーでした。
クレーターは設計パースを参考に、丁度いいサイズの円形を手元からかき集めました。
選ばれし紙テープとガムテープとマスカーとバケツのスタンプです。
しょりしょりしょり………
ラスが出てこないように慎重に削ります。
城壁のように薄く立ち上げたひだを崩さぬよう、これまた慎重に彫ります。
このときは石膏で愛用しているホルベインを用いました。
乾いたモルタル色がいい感じです。
が、冷えた印象を与えてはいけないコンセプトなので、
あたたかいアイボリーで月光を演出します。
周りにファイバーが埋め込まれ役者が揃ってきました。
ソファベッドに寝そべりながら施術を受けるのでしょうか。
この月を見上げながら安らいでもらえたら嬉しいですね。
実はこのクリニック、ほかにも造形をお納めしています。
通路壁と商品棚壁。こちらはVIPでなくてもご覧いただけます。
たまたまなのか優しめテクスチャの擬石案件がつづいています。
あるいはウェーヴ来てるのかもしれません。
これらも設計パースを参考に昇華しています。
折れ線グラフのような下がり壁が覆い被さるデザインです。
亀裂はなく、もこもことしたテクスチャ。
普段のようにエッジを立たせたい衝動を抑えます。
普段やらない肌なので普段使わない道具を使ってみたりもしました。
これはモルタルとよく戦った金ブラシたち。
3箇所同時進行で短納期(当社比)でお納めしました。
ひと口で擬石と言っても多様なデザインが楽しめるモルタル造形、八幡工業でいかがでしょうか。
以上、満月か球体でも造形してみたいタ口による記事でした。