2023.09.23 リペア補修

野田市の土蔵改修工事

土蔵の改修工事のご依頼をいただき ました。

およそ半年がかりで、工事が完了しましたのでご報告します。

 

 

土蔵は南と北に2棟、

「土蔵の土壁が落ちてきて、直してほしい。」

 

昭和の時代に建てられた、10メートルほど階高のあるりっぱなもの。

当時の資料や図面は 見つからなかったようで、当時の業者もわからず

工務店の監督さんもどのように直したらよいものか 困って相談されました。

 

2023年3月 調査・診断に行きました。

 

地元の工務店 山本建設工業株式会社
http://www.yama-ken.co.jp/

 

 

事前に工務店が足場を設置してくださって

おかげで 上まで登って 近くで確認することが出来ました。

 

 

長年の風雨に耐えて 、角は劣化がすすんでいます。

もともと黒漆喰だったようですが、退色しています。

 

 

こちらの面の漆喰は大きく剥がれてしまっています。

特に損傷が大きく、補修の必要がある部分を中心に撮影・記録していきます。

 

 

八幡社長が、施主の了解を得て、中塗り土の状態をみてみました。

かるく打診して、あきらかに浮いていそうな部分

スクレイパーを 剥がれている表層の漆喰に入れると 簡単に剥がれてしまいました。

このままでは危険です。

 

 

扉も部分的に補修の必要があります。

 

元請けの工務店と協議した結果、現代左官の工法で補修に決まりました。

 

提案としては、いい状態で保たれている部分もあるので 全部を直す必要はない。

あくまでも劣化が進行した部分を中心に補修をおこなう。

工程としては、土蔵の中塗り土の耐久性を付加させたのち漆喰を塗り直し、

役物を含め再度、美しさを回復することを工事概要としました。

 

 

工事開始

階段足場を中心に 左右 それぞれに蔵があります。

まずは、劣化した漆喰と中塗り土を 剥がしていきます。

剥がしたものは土のう袋に入れ 回収。

 

 

職人に 、剥がす場所の指示をする八幡社長

 

 

工事を進める中で、土壁を剥がしてみると

下地にコンクリートが使われていることが判明しました。

 

 

躯体コンクリートに鉄筋が打ち込まれていて 役物を支えていました。

これは、同様にアンカーを支持体にする必要があります。

 

 

取り外した丸い部材も作り直す必要があります。

 

 

役物は、型を作って 現場引き仕上を行うことにしました。

 

 

蔵の改修に詳しい 近畿壁材 というメーカーさんに相談し

・中塗り土の代わりとなる 材料

・仕上げ材の漆喰

をご提案しました。

 

 

・中塗り土の代わりとなる 材料 「ドカッと!」

 

 

・仕上げ材の漆喰 「島かべ」

 

 

補修工事の様子

左が中塗り、右が仕上げに近い状態です。

 

 

瓦も細かい細工の施されたもの。

 

 

作業は梅雨明けから本格的に続けられました。

 

 

8月末 足場が外れたのを確認し、撮影にいきました。

手前が 南蔵

奥が北蔵 となります。

 

南蔵の仕上がり

 

板張りの床も大工さんによって きれいに作られています。

 

北蔵の仕上がり

 

青空に 白壁がまぶしく輝いています。

最後までお読みいただきありがとうございました。

営業・斎藤のレポートでした。

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