\ 手で彫る / 杉板ホンザネ型枠コンクリート
9月下旬、東京葛飾気温32℃、まだまだ蝉は鳴いております。
先月、こちらよりもHotな現場にモルタル造形を納めてきたので紹介します。
エリアは東京都練馬区、埼玉県熊谷市に並ぶヒートアイランドです。
連日35℃以上を観測する7-8月に施工してきました。
百孔千瘡。
今年春がけに納めた杉板造形。
https://www.yawata-sakan.com/blog/23070
こちらのリピート案件になります。
ありがとうございます!
仕様は前回に引き続き
・無彩色 ・Pコンなし
・木目浅め ・板継ぎなし
変更点
・板割りは横方向
で…
・角測りし放題
見習いの見習いの見習い私タ口にとっては良い練習になりました。
屋上から施工スタート。4階建マンション、上から攻める作戦です。
指定ヘルメットのレッドが似合いますタニ職長。
3-4階全貌。
対となる二本の袖壁がバルコニーをサンドウィッチしています。
施工手順は塗り版築と似てます。
奇数層と偶数層、交互に造形することで、本実型枠を押し当てたような継ぎ目を演出できます。
彫る作画を混ぜるため二人でランダムに左右入れ替わりながら降ります。
雨で現場空いた日はイソノさんが助っ人に。
事例“ハリポタな住まい”や“サウナ溶岩”をはじめとする造形案件に来てくれています。
木目パターン一例。
彫るときのポイントは、鏝(ナイフ)を入れる角度を揃えること。
地上から見上げると存在感が薄れてしまう木目を、鎧壁のように影を落とすことを意識して引きます。
なんだか↓ファラオっぽい木目ですが、視認しやすくなった例です。
小島に向かってレイヤーが上になっていく本来の浮造ではできない、造形ならではの手法です。
2階はおしくらまんじゅうできそうなくらい袖壁同士が近いエリア。
地上から見える分、一層角の成形に注意を払います。
やったぜついに地上1階。エントランスサイドです。
丁寧な仕事が売りのノザワさんが助っ人に来てくれました。
モルタルを塗りつけてから木目を彫れる時間はごくわずか。
乾きの早い炎天下でもタイミングを逃しません。
まだ終わりじゃないラストは車止めの支柱。
この期間に高温注意報が何度か発令されました。葉も人もしおれます。
各階層、造形後には浸透プライマーと塗装をしています。
灰汁色の一切を排除した白塗り化粧です。
モルタル色そのままもアリですね。
角を境に左塗装済み、右未塗装です。
そういえば、木目が彫られていく様を見かけた職人さんらには「正気じゃねえな!」とお褒めの言葉を預かりました。
ありがとうございます。我々もそう思っております。
トップコートはフッ素入り。
RC打ちっぱなしや杉板補修の際にも使用しているものです。
スクエアの開口部には照明が入るとのこと。
植栽が額縁に収まった一枚絵のようでした。
割らずにエントランスキー収まって良かったと安堵。
縦に流れてくる二本の白いマリオン。
印象に残る大事なお仕事をいただけました。
こんなのできる?といったご相談もお待ちしております。