まるわかり「外壁漆喰の塗り替えリノベ」
【 工事前と完了時の写真 】
築10年経過した 外壁の漆喰塗り替えのご依頼をいただきました。
別の業者さんの施工したスイス漆喰とのことで、
壁の 「汚れ」「浮き」「剥がれ」
「流れて下地がみえるくらい薄くなってしまった」・・・などのお悩み。
そこで、好評をいただいています 撥水効果パワーで、汚れを洗い流してしまう
ドイツの漆喰系左官材「 Sto lotusan シュトー・ロータサン」による施工をご案内しました。
木部は、 キシラデコール 塗装しました。
既存はスイス漆喰のクリーム色 → 今回はドイツ漆喰Sto(シュトー)白
雨だれ汚れが目立っていた部分 → きれいになりました。
カビと青藻の発生で黒ずんでいた窓周りの汚れ
スッキリきれいになりました。
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それでは外壁漆喰の塗り替え工事のながれを見ていきましょう。
八幡工業・営業斎藤が担当させていただきました。
2022年4月、現地の状況を調査します。
木造二階建て、下地はモルタル。
目視で確認+実測して面積を計算します。
このお宅は確かに漆喰でしたが、
よくみると漆喰ではなく、べつの材料であったこともあります。
そして実際に壁に触れて劣化の状態を確認。
数か所補修のあとが見受けられます。
どんな材料を使って いつ頃メンテナンスしたのか伺います。
足場の設置、作業の導線などシュミレーションしながら
実際に作業を進める際の手順や注意点などを書き出します。
今回の工事では、
作業の妨げとなる部分の植木の剪定を事前に済ませておいていただくように
あらかじめ施主様にお願いしました。
おおきな荷物などがある場合も移動や処分をお願いすることもあります。
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お見積りにご納得いただき、ご成約となりました。
梅雨の季節、さらに夏場の暑さの厳しい時期をさけ
左官工事のベストシーズンともいえる9月にスケジュールを調整しました。
(リフォーム作業の特性上、粉塵が舞うため、どうしても窓を閉じて養生しなくてはならないのです。ですので、ある程度涼しくならないとお客様にはつらいのではという判断です)
最初に足場を設置します。
有限会社カイズさんにお願いしました。
いつも、しっかり事前調査もしていただき、仕事も丁寧です。
道路占有許可もとって、ガードマンも配備しています。
およそ200㎡を一日で設置完了しました。
昇降階段で上り下りも安全です。
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まずは、バルコニーの床など事前に養生します。
汚れや傷の防止と、掃除しやすくする目的です。
全ての漆喰を剥がします
スクレイパーで表面の漆喰を剥がします。
下地のモルタル層を傷つけないように 漆喰だけ2ミリほど削り取ります。
床には漆喰の粉が降り積もります。
散水しながら、壁を濡らすことで 近隣のお宅に粉が舞うのを防ぎます。
漆喰剥がしの工程ではさまざま発見があります。
一軒の家でも気候条件や方角によって壁の汚れ、劣化の状態がちがうのです。
例えば
・東西南北の日当たりの具合(日照時間が短い北側は汚れが目立ちます)
・雨の吹き込む量のちがいは、屋根・庇の出かたや角度で変わります。
・風通しの良いところは汚れにくいのですが
・逆に バルコニーの中など 風が抜けない場所はジメジメして汚れが発生します。
劣化した防水シールもいっしょに剥がします。
サッシ窓下の水切りは撤去しました。
雨だれ汚れ対策のため取り付けていましたが、あまり効果的ではなかったようです。
高圧洗浄で汚れを掃除します
剥がした際の粉や、カビや藻の根っこも洗い流します。
木部のデッキやフェンスも洗います。
洗浄を担当した木村君 ポーズが決まっています。
高校を卒業してこの春から 親元を離れ 八幡工業で修行中の職人一年生です。
駐車場の石畳もきれいに洗い流しました。
乾いたら 窓周りや床部分をしっかり養生します。
ガッチリ浸透プライマーW
ヤブ原の下地の保護・強化剤
これをローラーで塗布することで 下地のモルタル層を安定させます。
ここで、サッシ窓周りのシール打ち替えに入ってもらいました。
担当するゴトウ防水さん、いつもお世話になっております。
劣化した古い シールをはがし取り
新しいシールを入れていただきました。
これで雨漏れなどの心配がなくなります。
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お次は塗装屋さんの出番です。
木部は ペーパーをかけます。
雨の吹き込むところは塗装が薄くなっています。
全体を同じ色合いに仕上げるのはなかなか難しい作業です。
でもこのとおりキレイに塗り直していただきました。
さすがです!! 坂林塗装さんいつもありがとうございます。
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ここからは、左官作業になります。
モルタル下地 ベースコート塗り
撹拌して
鏝塗り
ひび割れ防止のグラスファイバーメッシュを伏せこみます。
お互いに気を使いながらの上下作業です。
猫ちゃん興味津々です。
4面すべてをモルタル下塗りしました。
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下塗りが乾いたら
Stoプライマー塗布です。
ローラーでプライマーをくまなく塗っていきます。
プライマーを塗ったところは白くなります。
仕上げ材の接着および水分調整と乾きムラを防いでくれます。
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仕上げ塗り
Stoロータサンk1.0
加水してハンドミキサーで練ります。
下こすりの鏝塗り
おっかけて塗り付ける人
押さえて仕上げる人
塗り継ぎや乾いてムラがないように
手際よく、息を合わせて一面ずつ クリアーしていきます。
これぞ、左官の見せ場です。
すべての面が統一された状態のうつくしい仕上がり。
乾燥養生を数日経てから、足場を外します。
無事故で、完成しました!!
最後にお客様の確認をいただき、無事お引渡しとなりました。
およそ、ひと月の間、お洗濯も外干しできず いろいろご不便をおかけしました。
また、ご近隣のみなさまにもお気を使わせて頂きました。
ご理解と、ご協力に感謝いたします。
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【 左官工程の振り返り】
S様邸の外壁はスイス漆喰の汚れ、劣化があり
ひび割れの原因がわかりませんので 以下の流れでご提案しました。
① 全ての漆喰を剥がします
② 高圧洗浄で汚れを掃除します
③ 浸透性シーラーによる下地の保護
④ モルタル下地 ベースコート塗り+ひび割れ防止のグラスファイバーネット伏せこみ
⑤ Stoプライマー塗布
⑥ Stoロータサンk1.0鏝塗り仕上げ
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漆喰塗り替えは、専門の左官業者にご相談ください。
適切な処理をしないまま 漆喰の上からペンキや塗装をしてしまうと
数年たって 浮き剝がれや亀裂などが起きる可能性があります。
八幡工業は 長年にわたって「しっくい」の外壁の施工に携わっています。
経験をふまえて塗り替えに最適な 手順やノウハウ、材料のご提案もいたします。
また、塗装、防水、付随する大工工事、電気工事など
さまざまなニーズにも対応いたします。
こちらの記事もあわせてお読みください。
https://www.yawata-sakan.com/blog/22146
八幡工業・営業斎藤のレポートでした。