テラゾーのキッチンカウンター 【前編】
マンションリノベーションにあわせて施工を担当した「テラゾー」のキッチン天板。
「てらぞう」 なんだか頑固なお爺さんの名前みたいな響きですが(笑)、
英字でTERRAZZOと表記する、「テラゾー」はイタリアの発祥とされています。
まるで大理石のようなすべすべした肌の白い床や壁。ああ、あれね。
日本では、近代以降の大型建物や公共建築などで、好んでテラゾーが使われました。
老舗の百貨店や、古い美術館・博物館の床や階段、身近なところでは学校の洗面所、
地下鉄駅のコンコースなどで今も見ることができます。
左官の仕事では、「研ぎ出し」仕上げともいいます。
サンダーなど機械を使って 研磨して仕上げる施工法。
今回は、一般住宅でもブーム?の気配を感じる
「テラゾー」「人造石研ぎ出し仕上げ」をご紹介します。
色とりどりのガラス、細かい石やなど埋め込んだ
キッチンカウンターの天板にしつらえた「研ぎ出し」仕上げ。
仕上げ材はベルギーBeal社の製品 BEAL STONE【ビールストーン】
八幡社長が、現場設置後に最後の微調整をしています。
完成した「テラゾー」の2メートルのキッチンカウンター。
左側開口部分には のちほどステンレスのシンクが下から留め付けられます。
右側には レンジがビルトイン。
これで、実際に現場に納めて引き渡しとなったのですが・・・・
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実は、施工は 八幡工業の倉庫で行って 現場に運ばれたのでした。
依頼は、家具屋さんを通じて。
合板で組み立てられたカウンター天板、そのままでは施工が出来ないので
仮の台座部分をいっしょに作っていただきました。
まずは、プライマーを塗布し乾燥。
樹脂モルタルの下塗り
こうすることで後から塗るモルタルの喰い付きを高めます。
下塗りが乾いたら 補強のために 鉄筋を入れます。
開口部のふちは5センチほどしかないので
補強のために 鉄筋と金属ワイヤーメッシュをタッカーで打ち込み
結束線でしっかり縛り留めます。
型枠を組立て、モルタルを充填していきます。
ここまでの工程で3日
ここから乾燥養生を数日間とってから、
テラゾーの仕上げ層の「種付け」モルタル塗りとなります。
まだまだ、前半戦。
めちゃくちゃ、手がかかる仕事ですね。
こうなると、「てらぞう」= 頑固なお爺さん ! というのもまんざらではないかもしれません。
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かつて昭和の時代に普及した「テラゾー」は、当時高価な石材の代わりとして
安い人件費もあって盛んに採用されたのですが、手間や時間のかかることが弱点でした。
また、骨材の選定・調達、材料の調合などの作業を、現場ごとにこなしていかなければならず、
さらに研ぐ際に粉塵が発生するなど、次第に避けられるようになりました。
八幡工業では、この伝統の技術を守りながら、
公園遊具の滑り台や、ベンチなどを数多く施工しています。
こうした新しい形の
“現代版”のテラゾー
をご提案します。
というわけで、次回の後編をお楽しみに。
https://www.yawata-sakan.com/blog/22178
斎藤のレポートでした。