ものづくり・匠の技の祭典2022
伝統的な匠の技と最先端のものづくり技術の魅力を発信するイベント、「ものづくり・匠の技の祭典2022」が8月、東京国際フォーラムで開催されました。
東京の、衣・食・住・工の職人の技を実際に見て体験できる本イベント。
“住”カテゴリーの左官枠に今年も八幡工業が参加させていただきました。
左官ブースと東左連のみなさまのようす。
阿嶋会長が紹介するのは左官ブースおなじみの調湿実験装置。
部屋を模した小さな箱にそれぞれビニールクロスと漆喰の壁を設け湿度を比較するものです。
クロスの92%に対して漆喰は75%、漆喰が調湿性に優れていることが数値的にわかります。
2年ぶりに一般来場者を迎えた今年は、光る泥団子教室も復活。
夏休み中ということもあり、開場直後から多くの親子連れさんに並んでいただき大盛況となりました。
泥団子に漆喰を塗って磨くという単純だけど難しい作業。
お子さんも親御さんも夢中になって体験されていました。
ブースの一角には俊昭社長作の鏝絵を展示。
泥団子に塗っているのと同じ材料だよとお子さんに教えると、興味深々で花びらをつついていきました。
取材を受ける俊昭社長。
今作には10日間かけたそうです。
午後にはステージパフォーマンス。
幅3m高さ2mにおよぶキャンバスへ左官の技を披露しますが、その準備はひと月前にさかのぼります。
八幡工業から登壇したのは、昨年につづき俊昭社長と、造形担当の谷。
左官で造形といえばモルタル造形ですが、今回はじめて漆喰造形を披露することになりました。
しかし元来は鏝絵やレリーフ程度の厚みが限度の漆喰。
石垣を表現するためにまずは土で厚みをつけて下書きとしました。
つづいて構図決め。
ここにも漆喰の造形を配置します。
構図が決まれば下拵え。
一枚のスタイロフォームから切り出して、
石膏を下塗りして、
色粉を配合した漆喰を上塗りして、
苔色でエイジング塗装して完成。
なんとなくお分かりでしょうか、松です。
リハーサル日。
職人の動き、カメラワーク、司会進行、一連の流れをチェックしました。
そして迎えた本番当日。
ステージ前には多くの来場者にお集まりいただきました。
そのころ舞台裏で談笑するメンバー。
木村親方が気前良くピースサイン。
ごめんなさいブレました。
いざ登壇。
左から木村親方、俊昭社長、小泉親方、谷です。
上段から藤色漆喰を塗り進めるのは俊昭社長。
ワイプに映る阿嶋会長が司会進行します。
普段の現場環境にはないたくさんのスポットライト。
いやぁ乾いた乾いた、と降壇したあと呟いていました。
少し明るくした藤色を差し、馴染ませてグラデーション。
背景となる夜空に柔らかさを加える狙いがあります。
中段を担当するのは木村親方。
空を区切る三本線は風をイメージしており、産地別の土で色の変化を演出しました。
下部では小泉親方と谷が石垣を模した土に黒漆喰を塗りつけます。
ある程度成形したらブラシでたたきます。
これはモルタル造形でも用いる技法です。
苔色をはたいて石垣は完成。
湖畔に積まれた石垣なので湿っぽさを演出しています。
ここで松の登場。
打合せしたポジションに固定します。
全貌が見えてきました。
今年のテーマは「江戸城の石垣 荒城の月」です。
30分間という限られた時間内にどうにか収めることができました。
ステージ終了後は間近に作品をご覧いただけるフリータイム。
左官にご興味を持っていただけて嬉しいですね。
たくさんのご声援ありがとうございました。
そして関係者のみなさま、お疲れさまでした!
前回2021年の祭典記事もあります。↓
https://www.yawata-sakan.com/blog/21355