杉板ホンザネ補修 -造形ver.-
杉板本実型枠コンクリート工法を用いた門柱の補修工事をしてきました。
お送りしますのは、入社当時本実(ホンザネ)が読めなかったタ口です。
今回は浮造り(木目)の凹凸がくっきりめでしたので、タイトルを“造形ver.”としました。
↑浮造りが穏やかめの物件は“ペイントver.”として紹介してますので、あわせてご覧下さい。
『杉板ホンザネ補修 -ペイントver.-』
https://www.yawata-sakan.com/blog/21695
施工前がこちら。
ぽっかり空いたスペースには後々宅配ボックスが収まるとのこと。
設計のお仕事をされているオーナーさまのご新居です。
寄るとわかる表面剥離の広さとジャンカの多さ。
白く見える転写できているラインと、黒く見える剥離したラインが交互に重なっていてボーダー柄のように見えます。
浮造りの凹凸がくっきりめであることもわかります。
ジャンカを埋めて平滑に均すだけでなく、木目の凹凸の再現が求められる難易度の高い特殊左官になります。
高難易度でも工法はやはりシンプル。”描きます“。
ペイント工法は筆を使いますが、造形工法で使うのは鏝。
材料は樹脂系の補修材。粘度があり剥落の再発を防止します。
既存の木目と繋ぎ、辻褄が合うように再現。
剥離が深く木目の痕跡がなくても、一部でも残っていれば大体の流れは決まってきます。
エッジを押さえて柔らかい凹凸にしたら初日は終了。
二日目はペイント。
あれだけあった表面剥離とジャンカはほとんど見受けられません。
やや暗く見える帯は補修材が多くついているための色の違いなので、塗装をすることで一体化させることができます。
プライマーで地肌を整えて、ベースカラーでファンデーション、
シャドウとハイライトで陰影のアシスト、補修はお化粧と同じです。
仕上がりがこちら。
トップコートは塗膜の張らない浸透性を採用しているので、コンクリートのマットな質感は維持したままです。
Before
After
夏空のもと、乾きが良好で二日で収めることができました。
まだまだ流行中のコンクリート打ちっぱなし、補修はどうしても付きものです。
最近ではすべて造形でつくる杉板コンクリートのご依頼も増えてきており、さまざまな形でニーズに応えようとする建設会社の姿勢が伺えます。