ハリポタな住まい
モルタル造形物件のご紹介です。
ご依頼いただいたのは四人家族でお住まいのFさま。
リビング・ダイニングから
キッチンにかけてのひと空間、左官屋が入りました。
施工前は白のクロスで統一された明るいLDK。
こちらをハリー○ッター風の、仄暗い空間にしたい、というのがはじめのご依頼でした。
モルタル造形は店舗やテーマパークに用いられているイメージですが、新築の購入やリフォームを機に「この際だから自分の”好き“が詰まった家にしたい!」と踏み切られるエンドユーザーさまからお問合せをよく頂戴します。
そんなユーザーさまは、”これが好き“”こうしたい“というビジョンを明確に持たれています。
そのご希望を視覚化し、イメージを共有することも八幡工業では大切にしております。
こちらはコンロを背にして見た擬石造形。
大判の石積みに見せ、インターホンやスイッチと同等の薄さでありながら重量感ある物々しい雰囲気となりました。
施工中の様子。
防水とひび割れ防止の処理を行ない、バッカー(ポリエチレン発泡体)で割り付けた枠内へモルタルを塗りつける工法を今回は採用しました。
一枚ずつ塗り付け、一枚ずつ彫刻し、同じ石はふたつとない表情を制作しています。
このあと目地材を流し込み、全体を着色して完成写真の仕上がりにします。
こちらはリビングを背にして見たダイニング側の壁。
石張り調の擬石を窓際からシンクまで巻きつけています。
施工中の様子。
一面一気に塗りつけたあと、その場の勘と直感で石を割り、彫刻しています。
オータムカラー4色をランダムに着色し、エイジング塗装で経年変化を演出。
純白の漆喰もあえてエイジイングを施し、擬石と調子を合わせました。
漆喰の塗りパターンはキャットフェイスになります。
飾り棚は小川木材商店さんに造作してもらいました。
クサマデンキさんに設置してもらうウォールランプとのレイアウトも事前に打合せ。
ちょっとした勉強スペースになっています。
キッチン奥は唯一のクロスエリア。
石張り調擬石をここまで延長させています。
実はこの擬石…平面です。
造形で厚みをつけると食器棚と接触してしまうためペイントしました。
造形できないなら描いてしまえ戦法です。
ドアは洋館風のとんがりシルエットを採用。
廊下へつづくドアは片開き戸のため、三角部分は上部の壁へ加えることに。
開閉時は三角部分が取り残されるユーモアあるドアとなりました。
留め金具は振動で落下する心配がないよう、木目と同様ペイントしています。
洋室へのドアは引き戸のため、開口を狭めることでとんがりシルエットに見せることにしました。
引き戸自体の形状は変えていないので、開閉に支障は出ません。
木目ペイントは塗り圧に変化をつけて陰影をつけています。
ダイニングを背に正面。
室内でありながら街灯のように見えてきます。
梁の木目調もペイント。
すぐ頭上ということもあり、安全面を考慮し造形は避けました。
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継ぎ目も木目もすべてフリーハンドです。
施工中の様子。
ひとによりタッチの癖が異なるので、左右入れ替わりながら手を混ぜます。
ペイントにしたことでカーテンにセメントの粉末がつく心配もありません。
こうしてFさまだけの住まいが完成しました。
仄暗く奇しくも、わくわくするようなファンタジー空間です。
思い描くお住まいがありましたらぜひ一度ご相談下さい。