これぞ「塗り壁リフォームの正しい在り方」後編
八幡工業のリフォーム事業部・ナチュラワイズで携わった
マンションのリフォーム工事 数多くあれど
これぞ「塗り壁リフォームの正しい在り方」といえるであろう
江東区 リバーサイドマンションのA様邸の施工例をご紹介します。
これからリフォームをお考えの皆様にはとても参考になるはずです。
さて、前編はお客様との出会いを書かせていただきました。
http://www.naturalwall.jp/?p=3683
今回は、実際の作業を振り返ります。
塗り壁の前のクロス剥がし、養生からはじまって、
電気屋さん、タイル屋さん、畳屋さんのことなど
左官以外のこまかい工事の細部までを解説していきます。
塗り壁作業の流れは 上記のまとめを参考にしてください。
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ここから本題です。
事前調査の際には、お客様といっしょに床の傷チェックをします。
工事の後、もめることのないように確認しておくことで
両者が気持ち良く工事に臨めるようにという配慮です。
ナチュラワイズの工事では 床部フローリングの上に
プラべニアを敷き、さらには、ブルーシートを敷きます。
クッション性のプラべニアで脚立などからの傷つきを防止、
水たれや塗料汚れにはブルーシートと、2重に保護します。
その後、巾木、建具、窓、家具などをマスキングします。
洗面所のマスキング養生、完璧です。
基本的にビニールクロスは剥がします。
状況によってはタッカー留めでクロスの上から施工する方法もありますが、
塗り壁は水を使うので 水を吸ったクロスは浮いてくるし、
材料の重さで剥がれる危険性もあるので、極力剥がすことをお勧めします。
特に天井は、剥がさないで施工することは避けた方が良いです。
クロスを剥がす際にやっかいなのが「裏紙」の残り。
裏紙までしっかり剥がすのに有効なのがアク止めシーラー
ローラー、刷毛で塗ることでがんこな裏紙が浮いてきます。
そこをすかさずスクレイパーで すくい取るのです。
アク止めにはカチオン系の浸透性シーラーがおすすめ、
2日にわけて 2~3回 しっかり塗布しましょう。
ここで塗りムラや塗り残しがあると、漆喰を塗った際にアクが発生します。
でも、もしもアクが出ても安心してください。
カルクファルベという漆喰補修塗料を上から塗れば しっかり消えます。
ドアや引き戸など、作業過程で行き来の邪魔になったり
効率のわるくなりそうな部位は最初の時点で外します。
これも傷つかないようにクッションで包んで保管します。
吊り戸の扉など、隅っこの仕上げが難しそうなので外しました。
内側には、どこの扉かわかるようにシールに記入しておきます。
電気屋さんに、スイッチ、コンセントボックスなど
各種器具を壁から緩めてもらいます。
塗り終わって乾燥期間を経てから ふたたび取り付けてもらいます。
トイレの手洗い場、水はねがある部分にはタイルが良いです。
漆喰は水を吸う特性があるので、お掃除しやすいタイルがお勧め。
タイル屋さんにエコカラットを貼ってもらいました。
タイル貼り終わりました。タオルかけの根元に注目。
しっかり穴をあけて取り付けてあります。
さて、意外と面倒なのが カーテンボックス
ここも塗り仕上げるまえに一旦レールを外しておきます。
この日は、出勤前のお施主様に立ち会っていただき
しっくい塗りの仕上げパターン確認をしていただきました。
石膏ボードをご用意して仕上げ担当の亜沙子さんが
実際に鏝で塗って その場で見て、選んでいただきます。
仕上がりは、鏝ラフの引きずり仕上げに決定しました。
自然な風合いで評判のパターンです。
コンセント周りは、少し押さえ気味にしておきます。
左官工事が仕上がって2日ほど乾燥したころ
畳屋さんが、表替えした畳をおさめに来てくれました。
今回は 熊本の西田さん栽培のイグサを使用しました。
農林水産大臣賞にかがやくエコファーマーの作品
とてもきめがそろっていて、新品の良い香りがします。
出来上がったばかりの畳に座って、畳屋さんと施主様。
よい機会なので、お手入れの方法をレクチャーしていただきました。
作業の最終段階
ちょっとした心遣い
戸当たり部分にシリコンを貼っています。
これで扉も壁も傷つかない。
そして なんとサプライス!
イケダコーポレーションの今村さんが応援に来てくれました。
玄関 シューズクロークの棚板もどし作業を担当してくれました。
自分が 築地のショールームで対応して八幡さんにお願いしたのだから
クロージングはぜひいっしょにと、 営業の鑑です。
よりよい材料は、素材力+提案力+技術力+人間力で完成ですね。
今村さん 、実は翌日からスイスに海外研修だったそうで
いそがしい中、取り付けありがとうございました。
たくさんの靴が入る大容量の棚。
ここはスイス漆喰の消臭機能と調湿効果が大いに発揮されることでしょう。
完成した室内。
お掃除ロボットがせっせと働いています(笑)。
洗面所もきれいに仕上がりました。
寝室 ダウンライトの明かりが灯ると、
カルクウォールのテクスチャーが浮かび上がってきます。
ダインイングルーム
明かりがさんさんと降り注ぎ、カルクウォールの白い壁が明るく拡散します。
窓からみえるスカイツリーが素敵。
どうぞ、末永くお部屋とA様ファミリーを見守ってください。
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最後にお施主様からメッセージを頂戴しました。
これからリフォームをお考えの方達にアドバイスがあればお願いします。
今回は日がない中でのご相談だったため、自分が直接各業者さんとやりとりさせていただきました。
所詮素人なので、互いの業者さんが気持ちよく円滑に仕事ができるように配慮はしたつもりですが、
ご迷惑をおかけしてしまったこともあるかもしれません。
でも、その自覚をもった上でアドバイスをあおぎながら進めれば、むしろ実際に施工にあたって下さる方と
顔のみえる関係でより一層感謝の気持ちと家への愛着が増すように思われますので、
私のようにこういうことを楽しめる方には直接のやりとりはおすすめです。
ただし、それぞれの業者さん内に八幡工業の営業 斎藤さんのような
しっかりとしたまとめ役がいらっしゃるのは大前提ですが(笑)!
お互いにきちんと伝え合うこと、これが悔いのないリフォームのコツかもしれません。
(*施主A様 ご夫妻と 左:営業の斎藤 )
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ご丁寧なメッセージをありがとうございました。
お褒めにあずかり恐縮です。
スタッフ一同、今後の励みにさせていただきます。
以上、少々長くなりましたが、本当にこの度はお世話になりました。
ご縁がつながれたことに感謝しております。
すごく楽しみにされていた「塗り壁体験」ぜひ来てくださいね !!
営業 斎藤 記す
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特別付録 :今回の作業工程のおさらいです。