左官で魅せる 老舗割烹のリフォーム(完結編)
2017年 八幡工業・ナチュラワイズがリフォーム工事を監督させていただいた
神楽坂 割烹「め乃惣」さま リニューアルオープンしました。
http://www.menosou.com/
表通りから石畳の路地を少しを入ったところ
目抜き通りの喧騒から離れ 落ち着いた佇まいの老舗店です。
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おもて構えについては前編にてくわしくお伝えしました。
https://www.yawata-sakan.com/blog/?p=14547
店内の様子 カウンター編は
https://www.yawata-sakan.com/blog/?p=14588
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みどころはまだまだたくさん。
今回は工事のビフォアーを振り返りながら
アフター:厨房の変化・個室の漆喰、そして床の特殊仕上げとつづきます。
さて、現在の板長である萩原淳二さんから工事のお話をいただいたのは平成28年の夏。
八幡専務と萩原さんが高校の同級生というご縁で相談を受けたのがはじまり。
*第一回目のお打合せ、左から施主・萩原さん 大工・小川さん 八幡専務
(ちなみに三人とも 「2代目」というわけで、気持ちも通じ合いました)
もともとお店の作りはしっかりしていて、当時の大工さんの仕事も丁寧。
内外とも 塗り壁にしっかりとした木の建具、
経年で傷んだり汚れたりはしているものの大事に使い込まれているので、
かえって味わいが深まっているという老舗の風格を感じました。
※ 工事前の個室
※ 工事前のカウンターの様子
なのですが、さすがに十数年経つと 水漏れのどの不具合が起きたり
客席床のタイルの割れや壁・天井も補修の必要があり、
このさい厨房の機器や水回りの使いにくさも解消したいという希望でした。
※ 工事前の厨房の様子
また、施主・萩原さんとしても お父様から引き継いだお店を
さらにきれいにして 清潔感ある店内に生まれ変わらせたいという思いで
工事期間は思い切って 一か月間のお休みをとってくれたのです。
※ 最初の外構えのプラン
◎ 完成後 玄関の佇まい
渋い黒板塀の中、土壁の外壁は鏝塗り仕上げ
※ もりだくさんの内装のプラン
(張り切りすぎて 左官のボリューム満点でした・・・)
◎ 完成はスッキリこうなりました。
※ 工事前の床タイル ところどころ剥がれて椅子ががたつく部分も・・
カチオン系の下塗り材を鏝で塗り伸ばし
日本化成のデコリエ という薄塗り材で仕上げました。
この材料の画期的なのは
『 下塗り材から上塗り仕上げまでワンデイで納められる 』!!!
乾いたら椅子の足擦れやハイヒールによる傷の心配もないのです。
◎ デコリエ(グレー色)による既存タイル床の補修が完成
鏝でおさえた自然なラフ感が 純和風からモダンテイストに変身
翌日、トップコートをかけました。
今回は 撥水のSタイプを塗ったのち、耐油の Pタイプも塗ってダブルで保護します。
八幡工業はメーカー講習を受けた証しである
Decolieライセンス を取得した正規の施工会社です。
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個室の天井 既存 板張りを外しむきだしになりました。
その後、大工さんに石膏ボードで下地を貼ってもらいました。
個室の壁は 高千穂シラスの 白州漆喰のフラット仕上げ
*施主が見守るなか 天井を塗っています。
電気の傘も変わり、個室の完成です
大工さんによる特製テーブルは木曽ヒノキの天板
ビフォー
アフター (木曽ヒノキの耳付き一枚板)
厨房の白いタイルは 和風モダンに張り替えました。
きれいになったところで
最後に神棚を並べなおして いよいよ開店準備です。
開店 おめでとうございます。
「さあ、きれいになったお店に負けない
美味しいお料理を提供しなくては!!」
気合をいれて 厨房に立つ 萩原さんと女将さん
お父様からの長いお付き合いの 常連のお客様にも喜ばれ、
これからいらっしゃる若いカップル やランチご利用のみなさまにも
末永く愛されるお店になることを切にお祈りしています。