「左官って、知ってる?」 〜ものづくりマイスター派遣講習「光る泥だんご」〜
今回は、10月9日(金)、14日(水)に行われた
大田区南蒲小学校ものづくりマイスター派遣講習から
9日の授業の様子をレポートします。
この日は、「ものづくりマイスター」*に認定された腕利きの職人さんを中心に
総勢20人近くの左官職人さんが会場の小学校に集合。
小学2年生、3年生に図工の時間を使って「光る泥だんご」作りを指導しました。
* 「ものづくりマイスター」とは、
平成25年に厚生労働省が若年技能者への実践的な実技指導により、
効果的な技能の継承や後継者の育成を行うことを目的に創設された制度です。
まず始めに、教室に集まった子どもたちに
東左連(東京都左官組合連合会)・藤井さんが
「左官って、何をする仕事か
聞いたことある、知ってるって人、どれくらいいるかな?」
と呼びかけたところ、ほとんどの子は知らない様子。
大工さん、パン屋さん、花屋さんについて聞いたときは
パッと手が挙がったのに・・・
2クラスに聞いて、“左官” に手を挙げたのは1人か2人。
これは、職人さんたちも少しガッカリの結果でした。
続いて、伝統的な日本の建物は大工さんと左官屋さんが中心に作っていたこと、
今日作る泥だんごは、昔からの左官壁と同じ材料、
同じ技術を使って作られていることなどを説明したら、
いよいよだんご作りのスタートです。
子どもたちは今日の授業を何日も前から楽しみにしていてくれたようで、
作業が始まると「いつもより、おしゃべりもなく集中して授業ができていました」と
担任の先生が評するほど、みんな夢中で取り組んでいました。
特に、上塗りが終わり、だんごが徐々に光り始めると、
子どもたちの笑顔がみるみる輝き始めて、みているこちらまでうれしくなりました。
作ったばかりのだんごは、この後 校内展覧会に出品されるということで
名札をつけて授業の最後に一旦、回収。
子どもたちは口々に「え〜、持って帰れないの?」
「あーん、渡したくないよぅ」と言っていました。
名残惜しそうに自分のだんごを何度も何度も磨いている子も。
そうだねぇ。自分のだんご、早くお家の人に見せたいよねぇ。
でも、展覧会が終わるまで、少しの間だけ、我慢です。
子どもたちに授業の感想を聞くと
「もっとやっていたかった」「またやりたい」
「とっても楽しかった」「だんごが光ってうれしかった」
最後に、東左連の藤井さんが、もう一度
「左官って、どんな仕事か知ってる人?」 と聞くと
今度は元気よく全員の手が挙がり、職人さんたちもみな笑顔に。
校長先生からも「プロの方々とふれあうことは、
キャリア教育の一環としても子どもたちにいい刺激になりますね」
とのお言葉があったように、次代を担う子どもたちに、
左官の魅力が伝わったのではないでしょうか。
当日まで下玉や道具の準備をし、当日朝早くから駆けつけた職人さんたち、
本当にお疲れさまでした。