左官がつくる「地層の壁」とは
依頼された完成イメージ図
これは、2016年10月に東京都墨田区内に完成する
株式会社 丸昭 (MARUSHO LTD.) さまの
新社屋の顔となるエントランスのおおきな壁です。
上部はアースカラーの地層を切り取ったかのような壁、
下のガラスのショーケースには皮革製品の商品が陳列されるというもの。
施工に先立ってサンプルを作成します。
50㎝角の見本を何種類かお作りし、
微妙な テクスチャーのニュアンスや色合いを確認していただきます。
造形班が作成したのち、塗装担当が色をつけるという手のかかったサンプルです。
方向性が定まったところで施工。
まずは、コンクリート躯体面に 墨打ち
プライマーで下地処理を施したのち
発泡スチロールの切り文字を貼り付け
文字の高さまで造形用モルタルを塗ります。
塗り付けが終わったところで、地層を成型していきます。
文字の周りは特に慎重に彫刻していきます。
モルタルがしっかり乾燥したのを確認して
切り文字は取り除きます。
ここまでが左官のしごと
ここからは エイジング塗装の専門家にバトンを渡します。
刷毛で色を塗っては滲ませ、ぼかし、また塗ってを何度もくりかえし
全体のバランスを確認しながら整えていく、センスと根気のいる仕事です。
そして
エイジング塗装が仕上がりました。
後日、ショーケースが取り付けられたと聞き
あらためて完成写真を撮影に伺いました。
あたかも元々そこに石があり、石工職人が鑿(のみ)とハンマーで彫ったような壁
照明に浮かび上がった文字が重厚なサインとなっています。
株式会社 丸昭 (MARUSHO LTD.)
http://www.hikakuseizo-marusho.co.jp/